【カキのお話その四】

柿渋(Persimmon tannin)の効能と用途
〜その驚くべきパワー〜

 

柿渋は未成熟の青い渋柿の実を絞り、発酵後2〜5年熟成させた濃褐色の液体です。渋味の成分はタンニンで、害虫や気候条件から自分を守るためにありますが、植物が自分を守る為に造るタンニンとはどんな性質をもっているのでしょうか?

タンニンの特性
*蛋白質やアルカロイド類と強い結びつきを示す。
*酵素の抑制
*酸化抑制効果
*脂質過酸化の抑制
*還元作用 *抗菌作用
*金属イオン、アルカロイド等をつくる沈殿とその可溶化
*発ガン、変異原物質の抑制作用
*脱臭作用

以上の特性から柿渋を飲むと、毛細血管の老化を防ぎ、高血圧を予防し、脳卒中、動脈硬化、胃潰瘍に効くそうです。かなり渋いですが、第125回芥川賞受賞作・中陰の花(玄侑宋久)P15に柿渋を毎日コップ1杯飲続けて3ヵ月後、体が軽くなったという記述があります。100%天然ですから薬害も無く、安心して現代病を克服出来そうです。続けると効果 が自覚できるようです。

 

また、柿渋は、胃の粘膜を収斂保護し、血中アセトアルデヒドの濃度が低下するので、二日酔いの防止、酔い覚ましに効くとされています。次に、肌に塗ると、肌荒れ防止、アレルギー改善、やけど、しもやけ、蜂刺され、毒虫・蛇の咬傷等に効果 が有り、木・紙・竹・布・紐に塗ると、防虫・防水・防腐・抗菌・強化剤等の効果 が有ります。つまり塗料・染料として使えます(唐傘、扇子、団扇、魚網、木工製品・家具等及び紙・布・紐全般 )。最近では、化粧品素材、発酵食品(日本酒・醤油・ワイン等)の除蛋白剤・清澄剤・品質向上剤、その他重金属やアルカロイドの吸着剤としても使われてはじめました。このように多彩 な効用をもつ柿渋(Persimmon tannin)は柿の実から造られますが、柿はその木、葉、実に至るまで捨てる物が無い、有用で環境に優しい優れ物です。柿の多彩 な効用を日常生活に取り入れた日本人は偉い!そう思いませんか?柿の学名が「カキ」で分かるように、日本に原生し、かつての日本人の生活にこれほど広範囲に役立っていた植物は他に無いと言っても過言ではないでしょう。この辺でもっと柿を見直してみたいものです(次回は柿の葉から造るお茶・柿酢を取り上げます)。

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