■アメリカは死の分隊を採用する■ニューヨークタイムズ紙
20 August 2009 by マーク・マゼッティ
聖戦する人を殺す計画でCIAはブラックウォーターの助けを求
める

現職と元政府職員によると、アルカイダの幹部工作員の位置を
突きとめて暗殺する秘密計画の一環として、2004年CIAは
民間警備契約会社ブラックウォーターUSAから外部契約人を
雇った。

イラクでの好戦的戦術のため論議を呼び起こしたブラックウォ
ーターの幹部らは、立案、訓練、監視でそのスパイ機関を助け
た。どれもテロリスト容疑者を首尾よく捕まえたり殺せなかっ
たそのプログラムにCIAは数百万ドル費やした。

CIAのレオン・E・パネッタ長官が心配になって情報機関が7年
間プログラムの詳細を差し控えていたことを議会に伝えるため
6月緊急会議を召集した主な理由は、このCIAがプログラムに
外部の会社を使ったとの事実だったと当局者らは言った。

CIAはアルカイダ工作員を実際に捕まえるか殺すため契約人を
雇おうとしたのか、あるいはただ単に訓練と監視でプログラム
を助けるためだったのかは不明瞭だ。アメリカのスパイ機関は
近年、捕虜の尋問を含め、大いに議論のある業務を外部委託し
てきている。だが、殺す権限を有するプログラムに部外者を引
き入れることは、内密の作戦における責任について深く懸念を
高めたと政府当局者らは言った。

このプログラムでCIAにはブラックウォーターと正式な契約は
なかったが、代わりに政治的につながる元ネイビーシールズの
一員で一族の富の継承者である会社創設者のエリック・D・プ
リンスを含め、会社幹部との個々の取り決めがあったと当局者
らは言った。パネッタ氏が情報機関を引き継ぎ、CIAの上級職
員らが目標に向けられる殺人プログラムに部外者を使うとの分
別を自問自答した何年も前に、実際にはプログラムでのブラッ
クウォーターの仕事は終わった。

ごく最新はXe Services(ジーサービシズ)と改名してノース
カロライナに拠点を置くブラックウォーターは、近年政府の契
約で数百万ドルを受け取ってきており、ブッシュ政権がイラク
戦争の操業の一環で、なくてはならなかったと言うほど大きく
成長した。

そこはまた論争を引き起こした。イラクでアメリカ人外交官を
警護するため雇われたブラックウォーターの社員らは、17人
のイラク人一般市民が殺害された2007年バグダッドでの狙
撃を含め、それぞれに過度の暴力の行使で起訴された。以来、
イラク当局は会社に営業許可証を与えるのを拒否してきている。

いまだ機密扱いのプログラムについて詳細を議論していたので、
この記事のためにインタヴューされた現職と元政府当局者ら数
名は匿名を条件にのみ話をした。

CIA報道官ポール・ジミグリアーノは取り消されたプログラム
について詳細を提供するのを断ったが、彼は暗殺プログラムに
ついてパネッタ氏の決定は「明確で率直」だったと言った。

「パネッタ長官はこの活動は議会に事情をよく知らせるべきだ
と考え、彼はそうした」とジミグリアーノ氏は言った。「彼は
またそれがうまくいっていなかったのを知って、それを終わら
せもした。」

ジー(ブラックウォーター)社のスポークスウーマンはコメン
トを求める電話に返事をくれなかった。

上院情報委員会を率いるカリフォルニアの民主党員ダイアン・
ファインステイン上院議員もプログラムについて詳細を述べる
のを断った。だが、彼女は議会に通知したことでパネッタ氏を
称賛した。「責任を引き受けたくないと、仕事を外注するのは
気楽すぎる」と彼女は言った。

最近ホワイトハウスと議会情報委員会に提出された暗殺プログ
ラムの内部再検討をCIAは今年夏に行った。プログラムは明ら
かにされるにはほど遠かったので議会に知らせる必要があると、
パネットの前任者が思わなかったのを再検討がはっきり述べた
と当局者らは言った。

なぜ議員がプログラムについて一度も教えられなかったか下院
情報委員会が調査している。現役と元政府当局者らによると、
情報機関にはすでにアルカイダの指導者らを殺す法的権限があ
ったのでスパイ機関は議会に知らせる必要はないと2002年
ディック・チェイニー元副大統領がCIA当局者らに言った。

プログラムに関する詳細を議会に与えずにおいたことでCIAが
法を犯したと考えるとパネッタ氏は議員に言わなかったと、こ
の問題に通じているある当局者は言った。むしろプログラムは
計画活動範囲を超えており、議会の精査が当然だと考えたとパ
ネッタ氏は言ったと当局者は述べた。

「このテロに報復するプログラムが要約した報告のスライドに
監禁されるとか、カフェテリアのナプキンにだらだら書きつけ
たくだらんものと考えるのは誤りだ」と当局者は言った。
「その範囲を完全に超えていた。」

アルカイダ工作員を殺すのに準軍事的殺し屋チームを使う目的
達成のためのCIAの活動は、ほぼ最初からロジスティクス(兵
站学)、適法、外交等のハードルに衝突した。これらの活動は
CIAのテロ対策センターによって指揮されてきており、そこは
アルカイダと他のテロリストネットワークに対する活動を実施
した。

2002年、アフガニスタン、カブールのCIA部署に警備を提
供する機密契約をブラックウォーターは請け負うこととなった。
そして会社は他にもCIAとの機密契約を維持すると現職と元当
局者らは言った。

何年にもおよびブラックウォーターは、9月11日同時多発テ
ロ直後CIAテロ対策センターを指揮したコーファー・ブラック
を含む、CIAの元幹部職員数名を雇ってきている。

CIA工作員らはまたノースカロライナにある会社の複合訓練施
設を定期的に使う。複合施設にはスナイパーを訓練するのに使
用される射撃場も含まれる。

1976年ジェラルド・R・フォード大統領が署名した大統領
命令はCIAに暗殺を実行することを禁じた。それはキューバの
フィデル・カストロと他の外国人政治家に対しCIAが暗殺計画
を行ったとの事実発覚への明快な反応だった。

ブッシュ政権は、アメリカを攻撃し再び攻撃すると誓ってきて
いるテロリストグループ、アルカイダのメンバーを殺すことは、
戦いで敵の兵士を殺すことと違わないという立場をとった。
それ故に、CIAは暗殺禁止令に妨げられなかった。

だが、アルカイダ工作員追跡を助けるため民間の請負人を雇う
ことは重大な適法と外交のリスクの因をなすこととなり、彼ら
は政府被雇用者と同じように保護されないかもしれないと元情
報局職員らは言った。

プログラムはブッシュ政権が議会の精査から隠した多くのうち
のひとつに過ぎず、ブッシュ時代の他のテロ報復プログラムを
もっと深くほじくる行為の正当化としてこの一コマを使ってき
ていると、ある民主党議員らは匂わせてきている。

だが、共和党員はプログラムを中止するとのパネッタ氏の決定
を小波乱を引き起こしたと言って批判してきている。

「断言されたより、もうちょっとドラマと好奇心をそそる密通
(陰謀)があったと考える」と下院情報委員会のトップの共和
党員、ミシガンのピーター・フックストラ下院議員は言った。

はからずも一般市民を殺してきていてテロリストが隠れる都市
部には使えない、無人偵察機を使ったミサイル攻撃がCIAプロ
グラムで他に採りうる道として部分的に考案されたと当局者ら
は言った。

パキスタンの遠く離れた山間部に隠れていると信じられる最高
位のアルカイダ工作員と共に、無人偵察機はいまもCIAの特別
上等の兵器のまま残る。ブッシュ政権のように、オバマ政権は、
パキスタンに準軍事的チームを送り込むより少ないリスクのオ
プションを提示するため、無人機キャンペーンを採用してきて
いる。


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